異業種交流会などのような名刺交換をする場面で、どんな話しをしていますか。どんなことを心掛けていますか。
先日、とある会食の場で、隣の席になった男性経営者さんと名刺交換をした際に、下記のように話しを振られ非常に悪い印象を受けました。
この記事では名刺交換の際に相手に悪い印象を与えてしまう話し方・話の振り方を実例を交えて紹介します。
これから交流会などで人脈を増やしていきたい方、名刺交換をより良い機会にしたいと思っている方は是非参考にしてみてください。
自分の自慢話しだけをする
腸もみの第一人者って知ってる?
私は話し方講座以外にも、腸もみの協会とサロンを運営していることを名刺に記載していたので、ここをご覧になったんだと思います。
男性はこう言いながら、スマホに入っている写真をスクロールし始めました。
ものすごい速さで、たくさんスクロールしても全然お目当ての写真が出てこない様子なので、「その先生のお名前を教えていただければ、私、検索しますんで…」と申し出たのですが、聞き流されました。なんとしてでも見せたい写真があるようです。
○○先生ですか?
スクロールが終わらないうちにこう聞くと、男性は「そうそう!知ってる?」と興奮しながらようやく見つけられた写真を私に見せてくださいました。
そこに映っていたのは、私が想像した「第一人者とのツーショット写真」ではなく、先生から学んだことが証明された認定証のようなものでした。
男性経営者の名前が書いてあり、そこに振られた番号が若いことも男性にとっては鼻が高そうでした。
私もこの先生のことは時々見聞きしておりました。どうやら50年くらい前に中国から日本に腸もみをもってきたらしく、食事のアドバイスもされているようです。
ただ私個人的には、腸もみの歴史は50年とかそこらではないと思っています。
少なくとも江戸時代には盛んに行われていたという文献を見ておりますし、昔のお医者さんはお腹を押して診察していました(今も小児科ではされているようです)。
漢方医学では腹診という診察方法として存在しておりますし、日本でも按摩さんといって按摩指圧師さんが按腹という手技療法を江戸時代に行われていたんですね。
まぁ、ここはそんな歴史話を持ち出すよりも、男性を褒めた方がいい場面だろうと判断し、「すごいですねー」とやや棒読みで返してしまったんですが、この棒読みになってしまった理由を掘り下げてみました。
聞き手のプライドが邪魔をした
まず一つは単純に、『その先生を第一人者とする根拠が理解できない』ということです。
何でも色んな流派があっていいと思っています。
腸もみといっても、A先生のはこんな感じで、B先生はまた別の施術…でもどちらも腸もみって言っている…私はこのようなことがあっていいと思っているんです。
ただ、歴史的な背景を調べていただけに、その歴史に全く関わらない人が「第一人者だ」と名乗っていることに違和感を覚えたのが、棒読みになってしまった理由です。
ここは私のプライドが邪魔をしたなぁと反省した点ですね。
相手の話しに興味を持てるか
もう一つは、他の方と名刺交換をしたときのことを思い出して気づいたことです。
初対面で緊張していても、話していくうちに「いい人だったなぁ」と印象に残る人はどんな人かと振り返ったら、こちらの話しに興味を示してくださる方なんですね。
それは社交辞令でもいいし、どちらが先になってもいいけれど、相手に質問をするような会話ができると、お互いの話しができるなぁと思っています。
私も、いただいた名刺から想像できることや「この地域、よく行くんです!」ということも引き出しから引っ張り出して、相手が気分よく話せる環境を作ることを意識しています。
人はみんな自分の話しをしたいじゃないですか。興味を持ってくれると嬉しいじゃないですか。だからこそ、まずは自分から話しを聞くようにしています。
話しを聞く人がいれば、もう一人は必然的に話す側になりますが、お互いが「相手の話しを聞こう」という姿勢でいると、どこかのいいタイミングで、話し手が聞き手に変わり、先に聞き手だった人が自分の話しをするようになります。
この男性経営者が、腸もみの勉強をしたことを言うことや、誰から学んだかを言うことが悪いんじゃないです。
話してくださった方が「その先生、知ってます!」ってなるかもしれないし、知らなくても腸活に関心があるというのは大きな共通点なので、それだけで人は親近感を持つものです。
できればそこから、「で、坂本さんとこではどんな感じで腸もみを…」となれば、双方の話しができたかもしれないなと悶々とした気持ちが最後まで残ってしまいました。
第一人者から早い時期に認定証を受け取ったことを誇らしく話される経営者さんに、事業の話しなんかを聞いても話の腰を折る感じもして、「すごいですねー」と褒め言葉を並べるしかできなかった私も、まだまだですね(笑)。
いきなりアドバイスをする
定期的にいろんな経営者さんと名刺交換する機会がありますので、毎回勉強になります。
私が「腸もみと話し方講座をやっています」と簡単な自己紹介し、その場が解散してから、ある男性がわざわざ追いかけて私を呼び止め、「2つのことをやるのはちょっと」と言われたことがあるんです。
同じ会場に、ラジオパーソナリティーとコーヒーのインストラクターをされている男性がいましたが、同じように忠告するでしょうか。恐らくしないでしょう。
経営者の集まりの中では『40代前半の女性』は若い方に入るので、言いやすかったんだと思います。
もしかしたら40代前半でも、男性相手には同じように忠告しなかったのではないかとさえ、思っています。
経営者はどうしても男性の方が多いから、余計男性が目立つのかもしれませんが、求めていないのに(しかも初対面で)いきなりアドバイスされることも少なくありません。
どんなに正しいことでも、どんなに的を得たことでも、誰からのアドバイスかで聞く耳を持つかどうかが決まるじゃないですか。
親が忠告しても聞かなかった子供時代、先生が同じことを言うととりあえず聞いちゃう…みたいな。
腸もみサロンにお客様としてご来店になったある女性が「経営コンサルタントなんですけど」と肩書を名乗り、施術中にサロンのダメ出しをされたことがあります。
経営コンサルタントだったら、まずはラポール形成が大事であることをクライアントさんに伝えなければいけない立場のはずですが、サロンのダメ出しのほかに、1か月何名の来店数なのかまで聞いてこられたんですね。
私、この人にコンサルティングをお願いしていないのに、です。
あの意図はなんだったのか、「名刺が欲しい」と言われて差し出しましたが、なぜか私は名刺をいただけなかったので、本当に謎だらけな出来事でした。
自分の物差しで話す
腸もみとか、腸内環境を整えましょうっていうのは、健康意識が高い人か、世の中に対するアンテナの感度が鋭い人でなければ、入ってこない情報だと思っています。少なくとも2023年4月の時点では(もっと広まるように活動中です)。
それはそれでいいというか、まぁそんなもんだろうと思っていますが、私の名刺を見てすぐ
腸?腸に興味持つ人っているんですか?あんまりいないですよね
と断定した男性経営者もいらっしゃいます。
確かに多くはないかもしれません。けれど、これだとまるで否定された感じがします。
ちなみに無料会員も含めると約470万人(2019年12月時点)の会員を持つ『NewsPics(ソーシャルメディア型オンライン経済ニュースサイト)』でも、医師たちが腸活とビジネスパーソンのパフォーマンスについて語っているんですね。
腸活とか健康とか、さほど興味がなくても「腸が大事っていいますよねー」と返してくださる方も多いですし(経営者であれば、健康意識が低いのはどうかと思うけど!)、「なかなかマニアックな分野ですね!」という返しは、決して否定していません(私もマニアックな分野だと思ってます)。
「それを必要とする人って、あんまりいないよね」は、相手の事業を否定するような感じになるので、言葉をちょっと変えるだけでも印象は違うのになーと思った出来事でした。
まとめ
名刺交換での印象を悪くする「やってはいけない」話の振り方
- 自分の自慢話しだけをする
- いきなりアドバイスをする
- 自分の物差しで話す
初対面での印象は結構しっかり残ります。
極端にへりくだったり、相手をむやみにお膳立てする必要もありませんが、あなたに関心がありますよという姿勢を見せたり、わからないことも「自分が知らないだけかもしれない」と思えたら、気持ちの良いコミュニケーションをとることができますね。
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