年齢はただの数字だとか何とか言われていますが、30歳を過ぎても40歳を過ぎても、高校生みたいな話し方をしていると、幼稚な印象を持たれます。
「若い」ではなく「幼稚」なんですね。
幼稚さは信用に値しないこともあるのでオトナな私たちは、話し方も年相応にしていきましょう!
言葉遣いで幼稚な印象を与える例「~~から」
では、早速例文を挙げます。
- ちょっと寒いから、窓を閉めていいですか。
- ちょっと寒いので、窓を閉めていいですか。
どちらも「寒い」のを理由に挙げて、窓を閉めてもいいか、許可を得ようとしています。公共の場とか、大勢の人がいる場でしょう。
さて、あなたはこの2つの文を見比べてどちらがしっくりきますか。
文法的にはどちらも間違っていないのですが、前者の方が幼い印象を与えます。
「~~から」と言うと、話し手の主観が全面に出されるので、ちょっと極端な言い方をすると「周りはどうあれ、私は寒いんです」というニュアンスが含まれてしまうのですね。
これってまるで自分の事しか考えていない…つまり、幼いという印象になります。
外国人向けの日本語教師を目指して勉強している友達いわく、「から」は早い段階で習うそうです。
そして後から中級編として「ので」を習うとのこと。
ちなみにその友達の小さなお子さんも、理由を言うときは「から」を使っているそうで、やっぱり幼い子が使う言葉というか、子供が覚えやすい(使いやすい)言葉だというのは間違いではなさそうですね。
しかも、言葉の使い分けができるようになってから、次の段階で「ので」を習うということなので、私たち日本人の大人は「ので」を当たり前に使えるようになっておきたいところです。
友達や家族で話すには自由ですが、上司や先輩、目上の人と話す際だけでなく、接客の際にも「ので」をスマートに使えるように慣れておきましょう。
言葉遣いで幼稚な印象を与える例「敬語」
では、次の例文です。
- こちらにお座りください。
- こちらにおかけください。
どちらも“大人の接客”でも耳にしますが、前者の「おすわり」が、まるでペットに言っているようだということで、スマートな表現とは言えません。
「ここに座ってください」と丁寧に言いたい時は、「おかけください」の一択です。
敬語に慣れていない人、あまり言葉を知らない人は、とりあえず「お~~ください」にしがちです。
それでOKな言葉ももちろんありますが、いざというときに最適な敬語を出せると「あ、この人、きちんとしている人だな」という印象を与えることができます。
「何度も会ってコミュニケーションをとったり、時間を守るなどの行動を見てもらったりすれば、きちんとしている感じは十分伝わるのでは」と思われるかもしれませんが、言葉遣いが美しいと人に紹介してもらいやすくなるんですね。
私も人と人をつなぐことをしておりますが、メールにしても会話にしても、言葉遣いがきちんとした人(格式張るという意味ではなく、最低限のマナーや配慮がある言葉遣いができる人)なら安心して紹介できます。
そうでない人は、先方に迷惑をかけないか、言葉足らずや配慮を欠いた言葉遣いで不快な思いをさせてしまわないだろうかとひやひやするので、紹介する時にちょっと躊躇してしまうのが本音です。
「はじめまして」の段階でマイナスな印象を与えては、コミュニケーションをとったり、行動をみてもらったりするという段階には進まないのです。
誰かを紹介する時は、妥協しないで人を選びます。
それは相手のためでもあり、自分自身のためでもあるのが正直なところですので、該当者がいなければ紹介もしません。
また反対に私自身も、人を紹介してもらうことがよくあります。
起業人生は、この紹介の数珠つなぎでここまで来たような感覚さえします。
誰に紹介しても恥ずかしくない!と思ってもらえるような言葉遣いを身につけたいですね。
言葉遣いで幼稚な印象を与える例「すごい・すごく」
では、最後です。
「すごい」と「すごく」の使い分けを見ていきます。
- 「すごい」+名詞
(例)すごい企画だ! すごい速さだ! すごい景色だ! - 「すごく」+形容詞、動詞
(例)すごく速い! すごくおいしい! すごく感動した!
とはいえ、どんな言葉にも多くの人は「すごい」を使っているのではないでしょうか。
「すごい寒い」という感じです。
「すごい」と「すごく」の使い分けは文法の話しになってくるのですが、聞き手が文法を理解していなくてもフォーマルな場で「このお料理、すごいおいしいですね!」「今日はすごい暑いですね」というのと聞くと、幼稚な印象を持ってしまう人はいるようです。
まとめ
言葉は変わっていくものとはよく言われますが、「大勢が使い出したからそっちを採用しよう!」というのは、なんだか寂しく感じます。
なぜなら、日本人の国語力がどんどん落ちているからです。
例えばトイレのことを「厠(かわや)」とはもう言わないですよね。
母屋から離れたところにポツンとトイレが建てられるということがないので、この言葉自体も廃れたのではないでしょうか。
このように生活とともに言葉が変わっていくことには抵抗はありません。
ただ、本来の文法から間違った使い方をしているのにもかかわらず、大勢がその間違った使い方をしているからという理由で、「それも認められるようになりました」なんてアナウンサーが言い始めたら、いやいや話すプロとして毅然としようよ!とツッコみたくなります。
全体的に国語力が落ちている中での言葉の変化というのは、日本語の美しさが失われる気がしてしまうのです。
年齢やTPOにふさわしい言葉遣いを意識していきたいと思います。
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