会話の中で「大丈夫です」という言葉をよく耳にしますが、このフレーズは多用しすぎると語彙力の無さを露呈したり、場合によっては相手に失礼に感じさせたり、YESかNOかがよくわからなかったりすることがあります。
今回は、具体的な場面に応じた「大丈夫です」の代わりになる表現を紹介し、もっと豊かなコミュニケーションを実現する方法をお伝えしますね。
断るときの「大丈夫です」
断るときに「いらないです」と直球を投げてしまうとキツイ印象を与えてしまうことから「大丈夫です」という人は多いですよね。例えばレジで店員さんに「袋は要りますか」と聞かれた時に「大丈夫です」と答える人のようにです。意味はわかるけど、なんだかモヤッとします。私は聞かれる前に袋(鞄)を見えるように準備するか、聞かれたら「あ、持ってます~」とか「いらないです~ありがとうございます~」と言って去っています。
下の例文は、もうちょっとかしこまったシーンを想定しています。
適切な表現
- 「ありがとうございます。でも今回は遠慮しておきます。」
- 「お気遣いありがとうございます。恐れ入りますが、今回は見送らせていただきます。」
例文
A: 「新しいプロジェクトに参加しませんか?」
B: 「ありがとうございます。でも今回は遠慮しておきます。」
了承するときの「大丈夫です」
OK!わかりました!それでいいよ!という返事をする際に「大丈夫です」を使うと、やや譲歩した印象を受けませんか。本当は違う日がいいんだけど、まぁ行けなくもないから頑張って行きます、みたいな。
なので、気持ちの良いコミュニケーションをとるのなら、「大丈夫です」以外の言葉がいいですよね。
適切な表現
- 「問題ありません。」
- 「承知しました。」
- 「異存ありません。」
例文
A: 「明日の会議は10時からでよろしいですか?」
B: 「はい、問題ありません。」
体調や状態を尋ねられたときの「大丈夫です」
体調に関しては「大丈夫です」でもいいかなとは思うのですが、とはいえ、それしか返せないのはスマートではありません。体調を聞かれて「大丈夫」と答えるのは、前に体調が悪かったことをお互いが知っていて、その後調子はどうですかと尋ねるシーンくらいかなと思います。
適切な表現
- 「おかげさまで元気です。」
- 「特に問題ありません。」
- 「調子は良いです。」
例文
A: 「最近の体調はどうですか?」
B: 「おかげさまで元気です。」
助けを断るときの「大丈夫です」
これは冒頭と似ていて、やはり断るときに「大丈夫です」っておかしいんですよね。助けの手を差し伸べる立場になって想像してみてください。「あなたには頼りません」みたいなニュアンスを感じませんか(私が考えすぎ?)。
もし大丈夫ですと言ったとしても、その後には必ず「声を掛けてくれてありがとう」というお礼の言葉を延べましょう。意外とこの一言がない人もいます。
適切な表現
- 「ありがとうございます、自分でやってみます。」
- 「お気遣いありがとうございますが、何とかやれそうです。」
例文
A: 「手伝いましょうか?」
B: 「ありがとうございます、自分でやってみます。」
相手の心配に対する「大丈夫です」
心配する気持ちに対しては「(心配してくれて)ありがとう」です。ここで「大丈夫です」というのは、あまりにもコミュニケーションを端折りすぎています。
適切な表現
- 「ご心配いただきありがとうございます。」
- 「大変ご親切に感謝します。」
例文
A: 「雨が降りそうだから、傘を持って行ったほうがいいですよ。」
B: 「ご心配いただきありがとうございます。」
まとめ
「大丈夫です」というフレーズは便利ですが、具体的なシチュエーションに応じた適切な言葉を選ぶことで、コミュニケーションがより豊かになり、相手に対してもより配慮のある態度を示すことができます。適切な表現を身につけることで、より信頼される人になることができるでしょう。
普段から意識して、さまざまな表現を使いこなしていきましょう。
言葉の選び方ひとつで、相手に与える印象は大きく変わります。ぜひこの機会に「大丈夫です」以外の表現を意識してみてください。豊かな語彙を持つことは、ビジネスシーンだけでなく、日常生活でも大いに役立ちます。
こちらの本にも「大丈夫です」の言い替えについて書いています。参考にしてください。
「ステージで輝くための鍵~表現力を鍛える最短ルート~」
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