ちょっとした言葉選びのミスで、話しの印象が大きく変わることがあります。
信頼関係が築けている間柄であれば、こういうつもりで言ったんだろうなと聞き手は推測してくれるかもしれませんが、付き合いが浅いうちはそうともいえません。
この記事では、言葉選びのミスで不本意に人を傷つけないための語彙力を鍛える方法について紹介します。
言葉選びをミスすると人を傷つけてしまう
例を挙げますね。
「このスケジュールなら害はないです」
おそらく「このスケジュールなら(他の予定への)影響はないので、問題ありません」ということを言いたかったのだということは容易に推測できますが、「害」という単語一つがよくありません。
こちらが提案したスケジュールが、害を与える可能性があるのか!?と、話し手は一瞬でその言葉を受け止めます。
「影響がない」という言葉に置き換えるのは決して難しいことではないはずですから、言葉の引き出しをいつでもすぐに開けられるようにしておきたいですね。
もしくは「このスケジュールなら大丈夫です」で済みます。
もう一つ、見てみましょう。
「講習会は…私はいいです、その後の懇親会だったら行けますよ」
例えば講習会やセミナーなどがあって、その後に参加者が集って懇親会(食事会)を開くというものに誘われた時に、「勉強会は欠席で、懇親会だけ参加します」ということがあるとします。
その理由は様々で、時間的に勉強会には間に合わないからということも、その勉強会の内容にはあまり興味がないとか、すでに習得していることだから、懇親会のみでいいということもあるかと思います。
このときに、「その講習会のレベルなら、私には相応しくない。どうしてもということなら、懇親会には参加しますよ」というニュアンスを込めて回答する人がいます。
いそうでいなさそうですが(笑)、いるんです。
確かに、その内容ならもう知っているから…とか、それは初心者向けであって、私はこの分野ではさすがにもう初心者ではないので…ということもあります。
またレベルの違いでなくとも、単純に興味がわかないセミナーもあるでしょう。
とはいえ、「講習会には行きません」という旨を伝えるのに、本音をそのまま言語化するのはスマートではありませんよね。
それは自分の胸の内にしまっておけばいいだけです。
「講習会の時間に間に合わないので…」というのも、“嘘も方便”でアリだと思いますし、ここはシンプルに「では、懇親会のみ、参加させていただきますね」とサクッと答えてもいいのではないでしょうか。
気持ちの良いコミュニケーションには語彙力が必要
素直に言う、正直に言うってことは誠実さが現れるかもしれませんが、コミュニケーションを取るというのは、いかに正確な情報のやり取りをするかという前に、お互いに気持ちよくやり取りができるかが大事だと思います。
「これは言う必要があるか?」と一旦頭で考え、言った方がよければ「どう伝えるか」を一瞬で考えて最適解を導き出せるようにしたいですね。
そのためには日頃から、様々な言葉や表現方法を吸収しておく必要があります。
語彙力を鍛えるための具体的な方法
では、どうやって吸収したらよいのかというと、一番いい方法は『読書』です。
小説でもビジネス書でもお好きな分野でいいので、なるべく絵やイラストに頼らず、文字で表現してあるものをたくさん読むことです。
読書ということで私が最初に思い浮かべるのが、芦田愛菜さんです。
読書量は年間100冊だとか300冊だとか言われていますが、それも子供のころから習慣として読まれていたそうで、その語彙力(しかも、難しい言葉を使わないのがポイント!)には圧倒されます。
文化庁の調査によると、日本人の平均読書量は年間12~13冊で、月に1冊も本を読まない人は47%というデータがあります。
本ではなく、スマホを見る時間が長いと思うのですが、ネット上に出ている文章は、基本的には校正されておりませんので(実際に「わかりにくい文章だ」と記事のコメント欄に多く書き込まれていることもあります)、本の代わりにはなりません。
本を読む以外では、目上の人に敬語を使うことが社会生活の中であるので、それを経て学んでいけるところもあるかと思うのですが、丁寧語(です・ます)さえ使えれば、あとは支障が少ないのも現状です。
もう目上の人に年賀状を出すこともないし、お詫びなどの定型文はネットに溢れています。
「この言い方はここでは相応しくない」と思って、頭をひねる場面がないのですね。
日本人の約半分の人が、月に一冊も本を読まないと出ておりますが、だからこそ、最低1冊でも本を読み、語彙力を増やし、その場に応じた言葉遣いが出きる人は重宝されます。
いくら仕事の能力が高くても、まずは挨拶から始まりますし、会う約束を取り付けるにもメールやチャットでコミュニケーションを取ります。
ですから、もし言葉遣いがよくない印象を持たれていたら、先方に失礼なことを言ってしまうのではないかと不安になって、誰にも紹介してもらえません。
語彙力を鍛えて、配慮を忘れないコミュニケーションを
人に紹介されないということは、信頼されていないということに等しいですから、自身の能力や実績、経験にあぐらをかかず、相手への配慮を忘れないコミュニケーション能力を常に磨きたいですね。
- 職業や立場の違う人たちと話す機会が少ない(同業者や同世代とばかりつるんできた)
- 敬語に自信がない
- 本を読む習慣がない
- 出会いが少ない、人に紹介してもらえない
このようなことに心当たりがある方は、年齢を重ねながら徐々に付き合う人が少なくなってしまいます。
まずは本を読むことから始めるか、なかなかその習慣がつけられないという方は、短期集中で話し方講座を受けてみませんか。
コミュニケーション能力が上がれば、人間関係も広く深くなり、その結果としてあなたの未来も開かれていきます。
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