11月4日(月/祝)、大阪のよろず支援拠点である「大阪産業創造館(通称:産創館)」にて、ワークショップを開催しました。この記事では、そのレポートと参加者様からのご感想をご紹介しますね。
告知で使ったLPはこちら。
前半:言語と動作の一致を体感
ワークショップの前半は、言葉と態度や行動の一致・不一致を体感したり、自分で身体の細部までコントロールしてみようという狙いで行いました。
具体的には演劇ワークショップや舞台役者が稽古で実践するようなもので、私自身が20代の頃に舞台役者として活動していた経験をもとに、また劇作家の平田オリザさんが小学生対象に行ったとされるものを私なりにアレンジしてみたりして、内容を構成しました。
ここで一番気をつけたというか、気を遣ったという点は、「自由に動いてください」という指示が恐らく通らないと仮定し、ならば、どうすれば自然と自由に動けるか、その環境を私が作れるかというところでした。
当日の参加者さんは大人が21人と高校生が1人。このうち、私と面識があるのは3分の2弱くらいでしたが、面識があったとしても、その人にとってみたら周りは知らない人ばかりです。急に「自由に!」と言われて困るのは当然です。
そこで、円になった状態で外を向いた状態で声を出すところからスタート。私が22人の声に負けない声を出すことによって、みなさんがつられてくださいます。
どんどん大きな声になったところで、円の内側を向いて、みんなの顔が見える状態で発声をしてみましたが、外を向いたときと同じくらいの大声を出すことができ、さらには高音も低音も引き出せたことで、身体の緊張感が取れたように感じました。
挨拶は相手に聞こえていないと、挨拶していないのと一緒だということは、子供のころに聞いたことがあるかと思います。これはセミナーを受講していても思うのですが、声が前に飛んでいない講師が多いなと個人的には思っているので、人前で話す機会がある人にはぜひやってもらいたいワークですね。
周囲を観察して自分の役割を認識する
2~3人で組んでもらって10組になっていただき、各グループに10から80の番号を振り分け、2組だけ番号なしで待機して頂きました。
8組はそれぞれの数字にあった動きをしてもらい(声は一切出さず)、待機組にその様子を観察してもらった後、10から80の順に並べてもらう…というワークを行いました。
番号の札を作るとき、10、20、30…という札を作りながら「あれ、わざわざ10の単位にしなくても、これなら1、2、3…でいいのでは?」と一瞬、手が止まったんです。
でもそうしなかった理由があって、1の違いと10の違いって感覚的に違うような気がして、例えば私が「2」を振られた時に、「1より大きく、3より小さく」って考えると、それは微差に感じて動きにくいかもしれない。
でも私が「20」になったら、「10より大きく、30より小さく」と言われたら、表現の幅は(2の場合より)広がるのではないかと想像したんですね。
実際に比較したわけではないので、1、2、3…の札で作っても結果は一緒だった可能性もありますが、もしこのような機会がまたあれば、「45」とか作ってみても面白いのかもしれません。
このワークに対する感想として、このようなご感想をいただきました。
エネルギーを10〜80まで体を使って表現するお題…わたしのペアは70。MAXじゃないのが逆に難しくない??と思いつつ、実践!
あ、あのグループ80ぽい!それより大人しめに…でも元気に!と無意識に周りに合わせているのを体感しました。
どんな環境でも、自分1人で成立することってあまりないかと思います。今ここでは、自分はどういう立場なのかを認識して、それに沿った行動をとれるといいですよね。
後半:絵画を見て意見を出し合う
やること自体はとても単純で、絵画を見ながら思ったことや気づいたことを自由に発言してもらいました。
もうこの時間帯には22名の参加者同士が「いつもの顔触れ」みたいに安心安全の場であることを体感されているので、「さっきの人の発言と真逆のことを言ってる!」という発言でも、誰も否定せずに「なるほど、そういう見方もあるよね」と頷いて聞ける空間になっていました。
これを受講してのご感想はこちらです。
同じ絵を見てるのに目の付け所も、感想も全く違う…なるほど、これがミスコミュニケーションの原因…。
その意見を否定する訳でも無く、なるほどー!と雰囲気がとてもよく…そう言われればそう見えるかも…と。
コミュニケーションって意見の交換だし、やっぱり周りから影響受けるし、周りにも影響与えるし…それを身をもって実感しました。
見ているものは同じなのに、捉え方が人によって違うということを前提にできると、伝達するときももっと丁寧な話し方になるかと思います。阿吽の呼吸で伝わる相手とは、前提条件が一致しているからともいえるんですね。
また、人の意見を聞いているうちに、自分の考えがいつの間にか変わっている(人の意見に影響を受けている)ことも実感していただけたかと思います。ということは、自分の発言が誰かに影響を与えているかもしれません。だったら、いい影響を与えあう発言が当たり前になるといいですよね。
余談ですが…私が会社員の頃、いちばん一緒に時間を過ごすスタッフで、私と二人きりの時間になればいつもお客さんの愚痴を言う人がいました。年上の方ということと、まぁ気持ちはわかるというのもあって私は黙って頷くしかできず、毎日それを聞いているうちに私は無表情・無意欲になっていたようで(私は無自覚)、他のスタッフが本社にいる部長に相談していたくらいでした。のちに、そのスタッフは家庭の都合で退職し、私は表情と意欲を取り戻した(憑き物がとれた感じ)のを覚えています。言葉の力って強い。
人生という舞台で最高のパフォーマンスを
ビースマートが考えるのは、年齢や職業、能力などにかかわらず、誰もがみんな常にパフォーマーであるということ。よく「自分の人生の主役は自分自身だ」というような言葉がありますが、半分はそんな感じです。残りの半分は何かというと、人はいくつかの顔を持っているのが当たり前で、無意識にその役割を演じ分けているという、社会学者アーヴィング・ゴフマンの考えに基づいています。
子供の前では親という配役を、自分の親の前では息子や娘である配役を、病院に行けば私たちは患者役に徹しているのですね。自分が主人公として生きているけれど、交差点を渡るときには、誰かにとっての「通行人A」かもしれないし、「主人公の友人」として歩いているかもしれません。
どんな私も全部「わたし」。それが適材適所になるように自分の能力を発揮できたら、個人にとっても社会にとっても素晴らしいことだと思いませんか。苦手なことは得意な人に任せましょう。得意な人が得意なことをするとスポットライトが当たるので、依頼したあなたも感謝されます。
この表現力がアップするワークショップは私が前々からやってみたいと思っていたことで、今回初めての試みでした。みなさんから嬉しい感想をたくさんいただきましたが、私の方こそ、「やりたいことを実現するために協力してくださり、ありがとうございました!」という気持ちです。
参加者さまからのご感想
どんな講座かよくわからないまま参加しました。身体使って声を出して、挨拶ひとつにも、距離感、声の大きさ等で伝わり方か変わったり、そして何を言っても安心安全な場所。座学では学べない、体験することで沢山、学ばせていただきました!ありがとうございました(^^)
22名の熱気溢れる講座でした!いつの間にか自由に発言していましたね 笑。
右脳も左脳も小脳も心身共に活性化しました。
リアル講座ならではのいい味が出ていて、受ける事ができて良かったです!ありがとうございました^^
学生からサラリーマン、そして会場内にいる複数のプロ講師もあっと言う間に坂本さんワールドで子供みたいに無邪気に楽しめて最高のセミナーでした!ちなみに高校生の息子は坂本さんに高校に先生として来てほしいと言っていました(笑)
ワークショップの開催について
この「表現力UP!ワークショップ」は、定期的に開催しているものではありません。
最低10名ほどの人数が集まれば、形になって学びもあるかなと思いますので、ご興味のある方がいらしたら、ご連絡ください。
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