セミナーやプレゼンなどで話すことが決まったら(構成も資料もバッチリ整ったら)、それで準備完了…ではありません。
今度はそれを声に出してみましょう。
慣れていないときは、何度も事前にしゃべってみるところまでが準備です。
原稿があるから大丈夫、自分の専門知識だから大丈夫…と思われるかもしれませんが、実際にしゃべってみて気づくことってあるんですね。
今回は、人前で話すセミナーやプレゼン前に実際に声に出してしゃべってみることのメリットを2つ紹介します。
見慣れた単語でもしゃべり慣れているとは限らない
腸セラピスト養成スクールを開講している私は、例えば「ラウリル硫酸ナトリウム」「小腸内細菌増殖症」という単語は見慣れているのですが、それと同じくらい声に出して言っているかというとそうでもありません。
スクールの講義中に「ラウリル硫酸」と言うたびに噛みそうになりますし(「ラウレス硫酸ナトリウム」もある!)、「小腸内細菌増殖症」は略して「SIBO(シーボ)」と言うので、「正式名称は小腸内細菌増殖症といいます」と言う時も、いつもよりは丁寧に言葉を発しているなと思います。
このような専門的な単語だけではなく、今、これを書いている文章も「書き言葉」であって、これを目の前の人に「話す」となると、言葉は変わってきます。
もしかしたら、方言でしゃべった方が、講師にとっても受講生さんにとってもわかりやすいケースもあるでしょう。
書き言葉をそのまま口にするのは、ただ読んでいるだけになるので、「伝える、話す」さらには「教える」になってくると、原稿さえあればいいというわけではないことをおわかりいただけますでしょうか。
原稿はあくまでも、メモ程度に捉えておきます。
学生時代を思い出してください。テキストを読むだけの先生の授業って、眠くなりませんでしたか?
人に教えるということは、授業もセミナーも全く同じです。
真剣に聞いてください!と受講生さんに求める前に、前のめりで聞きたくなるようにはどうすればいいのかを考えるのも、私たち講師の仕事です。
時間配分が調整できる
私が起業して1~2年のころは、セミナーの時間配分をめちゃくちゃ気にして、手元の資料に「ここまでで○分、ここまでで○分」とメモをしていました。
予定より早く終わるのも、時間ギリギリで後半が駆け足になってしまうのも、どちらも受講生さんにとって満足には程遠いものになると思うからです。
学校の授業が早く終わるのはみんな嬉しいと思うのですが、お金を払って受けるセミナーが予定よりあまりにも早く終わってしまうと、何だか損したような気になる人もいます。
私が講師で、もし早く終わってしまったら、受講生さんのためになるようなお話しを即興でお伝えしますし、私が受講生の立場であっても、終了時間までは講師のお話しを聞きたいなと思います。雑談でもいいくらいです。
時間ギリギリになってしまうと、後半はテキストを読むだけで終わってしまいます。読むだけなら家で一人でもできることですから、やはり不満は出てくるでしょう。最後の印象って結構残るものなんですね。
いくら中身の濃いセミナーでも、終わり方がバタバタだったり、なんとなく手持ち無沙汰で終わったりしてしまうと、受講生さんはその印象を引きずってしまいます。
ちなみについ先日、腸活のセミナーをオンラインでさせていただきました。
主催者は私ではありませんし、受講生さんはこの後に次の講義も控えていらしたので、「早めに終わります」も「ちょっと延長します」もできません。
70分という持ち時間でした。セミナー内容は、何度も何度も色んな場でお話ししてきたことなのですが、このためのスライド資料を新たに作り直しました。
それで実際にセミナーを進めていくと、「あれ、時間の経過が遅い!?」と時計を見て感じたのです。
本当に、時計が止まっているのかと一瞬疑ったくらいでした。
このペースではとても70分ももたないと感じたので、予定以外のところでも所々で受講生さんに質問を投げかけて、時間調整を図ることができました。
これは事前準備を怠ったなぁと反省しつつ、これまでの経験で臨機応変にできたことに安堵もしました。
セミナー終了時間を少しくらいは前後するにしても、だいたいは予定どおりに進められるよう、時間配分を計算しておきたいものです。
- 質疑応答の時間はどのタイミングでとるのか
- 休憩時間をとるのか
- それらはどれくらいの長さなのか
など、受講生さんの人数や会場の広さを考慮した上でイメージしておくと、当日の流れがとてもスマートになります。
まとめ
セミナーやプレゼン前に実際に声に出してしゃべってみることで
- どんな言葉も的確に声に出せる準備ができ、「読む」ではなく「伝える」を意識できるようになる
- 時間配分を調節でき、時間いっぱいを有効に活用できるようになる
などのメリットがあります。
是非参考にしてみてください。
コメント