セミナーを長めの時間でやってほしいと頼まれることや、セミナー内容を考えたら長くならざるを得ないことも時にはあります。また、30分程度だとしても、オンラインで一人が淡々と話していると、それは聞き手に取って長く感じてしまうこともあります。
いずれにしても「ちょっと話しが長いかなぁ」と言われたり、聞いている人が退屈そうにしていたりしたら、ぜひこの3つを実践してみてくださいね。もっとも、聞き手が退屈に感じているかどうかを客観的に見られることが前提ではありますが。
結論を先に言う
1つめはスマートな話し方としてよく言われることなので、ご存知かもしれません。
何の話かわからないまま聞いてくれるのは、家族や仲の良い友達だけです。
講師として前に出たら、その長い話しが一体何に結びつくのか聞き手の頭の中で整理できなければ、脳はストレスを抱えます。
また講師も先に結論を声に出しておくことで、自分でも着地点を意識することができます。
自己紹介で、過去の栄光を長々語ってなかなか本題に入らないオジサンや、例を出すつもりが余談になってしまって、本題に戻ってこないオバサンにならないように気をつけたいですね。
話しのリズム(緩急)をつける
2つめはリズム、緩急、テンポと言ってもいいでしょう。
特に説明をするとか、プレゼンテーションを行うなど一方的に話しをする場合は、テンポを意識しないと聞き手は飽きてしまいます。
相手にわかりやすく話そうという意識が強いあまりにあえてゆっくり話す人がいますが、それだと全体的に間延びして要点が伝わりにくいですし、幼い印象を与えてしまいます。
滑舌よく大きな声で話しさえすれば、普通の速度で十分です。
あえてゆっくり話していた人は、人前で話す人の速度に注目してみてください。
わりと普通の速さでもしっかり聞き取れることに気づくはずです。
ある程度普通に話す速度を基本として、強調したい単語だけをゆっくり話すとか、直前に間を置くとかすると緩急がついて要点も際立ちます。
声の音程差をつける
3つめは声の音程差をつけることです。男女ともにご自身の声に音程差をつけることが、聞き手を飽きさせない工夫につながります。
次は私が意識していることの一部です。
話の内容や聞き手の性別や年齢層などによって多少変えることはありますが、参考になれば嬉しいです。
- 第一声は笑顔で明るく、高めの声で挨拶をする
- 講義や大事な説明部分では、地声で話す
- セミナー中にワークを取り入れるときは、高めの声を出す
その意図を解説しましょう。
第一声は笑顔で明るく、高めの声で挨拶をする
人の話は特に最初と最後の印象が肝心です。第一声で話し手の印象がある程度決まります。
普段は大人しくて前に出るタイプではないのだけれど…という方もおられるかもしれませんが、大人しい性格であることと、人前で話すのに声が小さいというのは関係ありません。何度も申し上げる通り、聞き手への配慮が大切です。
第一声は元気よく挨拶をすることで、会場全体が活気に満ち溢れたり、これから集中して取り組むぞというやる気にもつながったりします。
講義や大事な説明部分では、地声で話す
そして話が進む中で、
- これは非常に大切だから絶対に覚えてほしいこと
- 注意してほしいこと
などの重要な部分を話すときは、挨拶のときより少し落ち着いた声で話します。
声のトーンが下がると、人は聞き取ろうとしてより前のめりになりますし、落ち着いた声の方がより説得力が増すということもあるからです。
同じアナウンサーでもバラエティー番組で進行役を務めるときと、ニュースを報じるときでは明らかに声のトーンが違いますよね。あのイメージです。
セミナー中にワークを取り入れるときは、高めの声を出す
セミナー中にワークを取り入れる場合は、明るめに出すことを心掛けています。
ここは受講者さんが自分の意見を出し合う場面ですが、なるべく間違いたくないとか、受講するのはいいけど自分の意見を言うのは緊張するという方もおられることが想定できます。
なので、間違ってもいいですよとか、そもそも意見に間違いなんてない、自由に思ったことを出してみてくださいというこちらの意思表示をするために、明るい雰囲気を作ります。
またアウトプットの時間が活発で充実している方が結果的にインプットしやすくなることから、受講者さんのセミナーの満足度が高まります。
それらを意識して雰囲気を作っていくことも、講師の役割ではないでしょうか。
「話しが長いな」と感じてしまうときの原因と対策
オンラインの場合に「話しが長いな」と感じてしまう特徴の一つとして、共有した画面が5分以上ずっと同じである場合です。
人は黙って静止画をずっと見続けるのには限界があります。
一枚のスライド資料の中で聞き手の目をあちこち動かすような話しができていれば別ですが、例えば見出しや要点一言など、見て一瞬でわかるものを数分出し続けた状態であれば、聞き手はあえて正面を向かなくてもいいですよね。
音声番組を聞いている感覚で、聞き流してもいいわけです。
とはいえ、実際は全員の顔が見えている状態ではそうはいきませんから、聞き手には苦痛が生じてしまいます。
画面を共有しなくても支障がないときは積極的に外して、通常の対面で話すのと同じ状況にしましょう。
お互いの表情をしっかり見ながら話す方が信頼関係も生まれやすいのは想像に難くありません。
その他、画面共有しているスライド資料が話し手の言葉と同じであるときも、これが続くと退屈してしまいます。
プレゼンテーションに不慣れな方、起業初期の方、スライド資料を作り慣れていない方の中には、文字ばかりを画面いっぱいに並べて、まるで台本のようなものを共有されている方がおられますが、聞き手は『聞く』ことに集中できず、同時に『読む』という作業を無意識に行ってしまうので、どっと脳が疲れます。
テキストばかりを並べず、画像や図、内容によってはグラフなどを載せることで、一目でわかる画面を共有でき、聞き手の脳の負担を減らせます。
やはりどこまでも聞き手への配慮が大切なんですね。
まとめ
人を飽きさせない話し方の工夫3つ
- 結論を先に言う
- 話しのリズム(緩急)をつける
- 声の音程差をつける
オンラインセミナーなどで話が長いなと感じさせないためにできること
- 共有した画面が5分以上ずっと同じである状況を避ける
- 画面を共有しなくても支障がないときは積極的に外して、通常の対面で話す
- 画面共有しているスライド資料が話し手の言葉とまったく同じであることを避ける
- テキストばかりを並べず、画像や図、内容によってはグラフなどを載せることで、一目でわかる画面を共有する
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