ビースマート話し方講座の特徴として、「思考力を身につける」というものがあります。
「話し方」っていうと「しゃべり方」というニュアンスがありますが、相手にわかりやすく伝える話し方をするためには、思考の部分も変えていかなくてはいけません。
話す頭を鍛えるという感じです。
そこで大事にしているのは、「自分の機嫌は自分でとる」です。
話す頭を鍛えることと自分の機嫌の何が関係あるのでしょうか。
誰しも生きていたら、イライラしたり、ムカッとしたり、落ち込んだりすることはあります。
そのような負の感情を、SNSに平気で発信する人が多いですよね。
もちろん、何を発信するのも個人の自由ですが、相手を特定できるような書き方で不平不満を投げつけるように発信するのは、SNSの使い方として以前に言葉の使い方としてスマートではありません。
世間に対して「これってどう?」と問題提起するのではなく、まるで攻撃するような書き方が目立ちます。
「そういうクレームなら、直接お店側に伝えればいいのに」とか、「そんなの、当人同士で話し合ってよ」と言いたくなるものもありますよね。
負の感情を持つことが悪い訳ではありません。
負の感情をどう処理するか、なるべく負の感情がいちいちわかないようなモノの見方(感じ方)ができると、スマートでかっこいいなと思っています。
本を読むと向上する『メタ認知』
ビースマート話し方講座では、本を読むことを推奨しています。
本を読むのはいいことだと昔から言われていますので、ここに対して否定意見はあまりないかなと思います。
本を読めば語彙力がつき、集中力も高まります。
さらに、自分の機嫌を自分でとることができるようになるんですね。
たいてい読者は、第三者目線になります。
本の世界でどんなことが起きようが、小説の主人公に感情移入しようが、それでも客観的な立場になります。
なので、本を読むことで客観的に捉える力がついてくるのですが、この力を『メタ認知』といいます。
このメタ認知が高ければ、何か問題が起きたとしても冷静になって対処できます。
感情的にならずに客観的な視点で考えて動けるので、周りへの配慮もできるということです。
例えば部下や後輩に仕事を教えるときをイメージしてみてください。
「なんでわからないの?なんでできないの?」と感情的になっていませんか。
彼らがどこでつまずいているのかを冷静に分析して、教え方を変えてみると伝わることが多いです。
セミナー講師を務めていて、なんだか受講者の反応がよくないと感じたら、それは講師の責任です。
終わってから「全然聞く姿勢がなってない!」と不満をこぼすのではなく、そのセミナー中に受講者の反応をキャッチして、質疑応答の時間を設けるとか、例え話を出すとかのとっさの判断ができたかもしれません。
まとめると、人前で話す人には「話す頭」も鍛える必要があって、それは客観的に認知することであり、読書をすることで鍛えられますよということです。
しゃべるだけが仕事ではありません。
特には喉を休めて、本に集中してみる時間も設けてみましょう。
改善点は丁寧に伝えよう
自分の機嫌は自分でとろうと言いましたが、負の感情を全てなかったことにしようと言っているわけではありません。
負の感情は決してあなたのワガママではなく、中にはあなたの正義感が働いてくれたサインがあるかもしれません。
例えばセミナー会場に早く到着した受講者が、準備中でバタバタしている会場に着席しているとします。
開場時間を事前に伝えたのにもかかわらず、「遅れるよりマシ」とやたら早く到着する人がいるものですが、準備をしている側からしたら、着席するのはご遠慮願いたいものですよね。
そんな光景を見て、「なんでこんな時間に座っているの?空気を読んで、外で待ってほしい!」とイラっとしたとします。
そこで「自分のイラっとしてしまった機嫌は自分でなだめよう」とするのではなく、受講者または然るべき人に状況を伝えることも必要です。もちろん、冷静に。
よくない場面に遭遇したら不満を言うのではなく、またそのままやり過ごすのではなく、じゃあどうしたらいいか?を冷静に考えて行動に移しましょう。
そのときの言い方も、自分の感情をぶつけることのないように気をつけながら伝えます。
客観的かつ冷静に物事をみる力(メタ認知)がつけば、このままでは嫌だな、困るな、よくないなと思うことに対して、次の行動(よくなるための改善策)をとります。
そして誰も嫌な気持ちにならない話し方で、別の行動を促すことができるのです。
いくら美しい声で落ち着いていても、「話し方」まで考えていないとトゲのある伝え方になるので注意が必要ですよね。
今は誰のための時間か把握する
いくら上手に美しい話し方をされても、「今、その話じゃないんだけど」という場面もありますよね。
Aさんが「先週の日曜日、子供の野球試合を見に行って、ユニークな審判がいて盛り上がった」というエピソードを話し、周りの人がAさんの話しを聞いた感想を述べるとします。
Aさんの話しを聞いた感想を言う時間ですから、このような声が挙がるかもしれません。
「私もその審判の人、知ってる!もしかして○○さん?」
「それは面白いね!野球がわからなくても楽しめそう!」
そんな中で、このような発言をする人もいます。
「私は先週の日曜日、旅行に行ってきたの!場所は~~」
「私の子供はサッカーをしているんだけど…」
人の話しから自分の話しに勝手につなげるのではなく、まずはAさんの話しを受け入れた(聞いた)ということを表現するためにも、感想を伝えたいところです。
もう一つの例を挙げてみます。
ビジネスプランを話したBさんに対してフィートバックをする場で、
Bさんのアイデアから学べるところがあって、私はこういう事業を始めようと思っているんですが…
と、「Bさんのアイデアから学ぶところがあった」と言いながら、結局は自分の事業の話しをしているだけですよね。
フィードバックをする場と言われているのに(まだBさんの持ち時間なのに)、自分が話していい枠だからといって何でもしゃべっていいわけではありません。
尺を意識しよう
仕事において複数人で話しをする場があると、1人がファシリテーターとして場をまわしてくださることが多いです。
セミナーなどでも、講師が受講者一人ひとりに感想を言う時間を与えることもありますよね。
そんなとき、自分がしゃべる尺(時間の長さ)を意識していますか。
「一言ずつお願いします」と言われているのに、エピソードなんかも含めて長々と話していませんか。
しかもまだ後ろに人が控えているのに、その人たちの時間を考えずにいつまでも気分よくしゃべってはいないでしょうか。
滑舌よくキレイに話しても、その話の尺を意識できなければ、「長々と自由にしゃべっちゃう人」という印象を与えてしまいます。どうしてもネガティブな方が印象に残りやすいのです。
時間を気にせず長々を話してしまったら、「あの人、きれいな声で聞き取りやすい!」と良い印象を残すことは難しいです。初対面の方であればなおさらです。
時間感覚を持って話される人の方が、聞き手にとっても安心感があります。
言いたいことで頭をいっぱいにせず、もう一人の自分が冷静になって時間の感覚に意識を向けましょう。
「あの人なら安心して任せられる」そう思っていただけるような、スマートな話し方を身につけませんか。
まとめ
人前で話す人が身につけるべき『客観的なモノの見方』を育てるポイント
- 自分の機嫌は自分でとろう
- 読書で「メタ認知」を養おう
- 改善策の伝え方を工夫しよう
- 今はだれのための時間かを判断しよう
- 話す尺(時間の長さ)を意識しよう
コメント