DM営業で「AIみたいな人」になっていませんか?実体験からの気づき

個人事業主にとって、InstagramのDMなどを活用した顧客へのアプローチは、今や欠かせない集客手段の一つです。しかし、そのDM、もしかしたら「AIが書いたような文章」になってしまっているかもしれません。

今回は、私が実際に体験した出来事を元に、DMでのご案内において本当に相手に届くコミュニケーションとは何か、そして避けるべきマナー違反について考えていきたいと思います。

目次

【実体験】AIと会話しているようだったDMのやり取り

先日、顔見知り程度の知人からInstagramのDMで、とある無料サービスのお誘いが届きました。投資に関する金融リテラシーを高めるグループへの参加案内でしたが、DMには私の名前もなく、いかにも一斉送信されたような印象を受けました。

正直なところ、「これは返信するまでもないかな」と感じ、スルーしていました。自宅のポストに入っているチラシに、いちいち電話で断りの連絡をしないのと同じ感覚です。

しばらくして、返事を催促するDMが届きましたが、これも後回しにしてしまいました。さらに追い打ちをかけるように再度催促のDMが来たため、さすがに返信すべきだと感じ、「今回は見送らせてください」という旨と、返信が遅れたことへのお詫びを送りました。

すると、驚くべきことに、その方から「断る理由を教えてください」と返ってきたのです。

私はすでに投資を行っているため、私自身が改めて別で学ぶ必要がないこと、そしてそのサービスに興味がないことを正直に伝えました。「すでに投資をしているからです」と。

坂本

そもそも案内文に「私たちの~~」と書いてあったのですが、「私“たち”って誰?」と思ったのも、興味が持てなかった理由のひとつです。主催者が複数人いるなら、それを明かしてほしいですね。お金に関することならなおさらです。

それでも、相手は食い下がります。「私がお世話になっている方で…」と、別の人物を紹介しようとしてきました。私は「ご案内ありがとうございます」とだけ返しました。

しかし、さらに驚くべき展開が待っていました。

「年齢を聞いてもいいですか?」

思わず「なぜですか?」と尋ねると、「グループが年齢層で分かれているから」という返答。私はすでにグループに参加しないと伝えているにもかかわらずです。私が「グループには入らないと伝えましたよね」と返すと、「お忙しいところすみません」という言葉で会話は終わりました。

「AIみたい」と感じた理由と、そこから学ぶべきこと

チャット

この一連のやり取りは、終始「AIと会話しているよう」でした。なぜそう感じたのか、そして私たち個人事業主がDMを送る際に学ぶべきポイントを以下にまとめます。

テンプレート感丸出しの「パーソナライズされていないDM」はスルーされやすい

今回のDMには私の名前がなく、誰にでも送れるような定型文でした。受け取った側は「自分に向けて送られたものではない」と感じ、読む価値がないと判断してしまいます。

【改善策】 DMを送る際は、必ず相手の名前を入れる相手の投稿内容に触れるなど、パーソナライズされたメッセージを心がけましょう。

「空気を読む」コミュニケーションは重要

返信がないというのは、多くの場合「興味がない」「必要ない」という意思表示です。返信がないことをもって「No」と受け止める「空気を読む力」は、デジタルコミュニケーションにおいても非常に重要です。

【改善策】 一度DMを送って返信がない場合、すぐに催促するのではなく、少し時間を置く別の切り口でアプローチするなど、相手の反応を待つ姿勢も必要です。催促するとしても、相手の状況を慮る一言を添えるなど配慮が必要です。

スマホでチャットする

相手のニーズを聞かずに「断る理由」を求めるのはNG

私が「投資をしているから」と明確な理由を伝えたにもかかわらず、さらに別の人物を紹介しようとしたり、年齢を尋ねたりする行為は、まさに「押し付け営業」です。顧客のニーズを一切聞こうとせず、ただ自分のサービスに誘導しようとしている印象を与えます。

【改善策】 DMを送る際は、まず相手の悩みや課題に耳を傾ける姿勢が大切です。いきなりサービスを案内するのではなく、相手のニーズを引き出す質問をしてみましょう。もし断られた場合は、深追いはせず、丁寧な対応で関係性を悪化させないことが重要です。
ここでよい関係で終わっていたら、今後もし金融について相談したいときに連絡してみようと思えるものですよね。

表面的な謝罪は不快感を与える

最後の「お忙しいところすみません」という言葉。私が不快に感じたのは、忙しいときに連絡をしてきたことではなく断っているのに深追いし続けてきたことです。終始まるでAIと会話しているかのようなコミュニケーション自体でした。謝るべきポイントがずれていると、さらに不信感を募らせてしまいます。

【改善策】 相手に不快感を与えてしまったと感じた場合は、何に対して謝罪するのかを明確にし、心からの言葉で伝えましょう。

本当の「営業」とは顧客に寄り添い、ニーズに応えること

ハートを持つ女性

今回の経験を通して、改めて感じたのは、DMでの告知は単なる情報伝達ではないということです。それは、相手への配慮誠実なコミュニケーションが伴ってこそ、初めて「営業」として機能します。

私たち個人事業主がDMを送る際、最も大切なのは、「相手の立場に立って考えること」です。一方的な情報発信ではなく、顧客のニーズを理解し、それに寄り添う姿勢こそが、信頼を築き、結果的にビジネスの成果に繋がるのではないでしょうか。

あなたの送るDMは、本当に相手に「届いて」いますか? ぜひ一度、ご自身のDMコミュニケーションを見直してみてください。

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この記事を書いた人

言語IQ150超、ブログや書籍を執筆。『ステージで輝くための鍵~表現力を鍛える最短ルート~』の著者。セラピストとして2016年にサロン開業、セラピスト育成スクールの開講、さらには協会設立までを手掛け、集客は100%ブログで行う。会報誌や機関誌の腸活特集を監修。ビジネス系情報番組にも出演。

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