セラピストに必要なカウンセリング力とは?また来たいと思ってもらうために。

セラピストに必要なカウンセリング力とは?また来たいと思ってもらうために。

話し方講座を開講する数年前に、私はセラピストとして起業しました。

セラピストとしてサロンを構え、様々なボディケアをお客様に提供する人は増えています。自宅の一室をサロンにする、いわゆる「自宅サロン」を開いている人も増えていますよね。

私も事業をするだけでなく、サロンに行ってリラクゼーションを受けることも好きなのですが、セラピストの仕事は施術をすることだけではありません。

この記事では、セラピストのカウンセリングについてお話しします。

目次

カウンセリング時に大切なことは『お客様目線』

カウンセリング

セラピストのカウンセリングも「話し方」を考えなければいけないのは、ただの談話ではなく、仕事の一環だからです。

セラピスト

そんなことはよくわかっています!だからうちではカウンセリングシートを活用して…

という声が聞こえてきそうですが、カウンセリング(問診)がすでにお客様に不快感を与えてしまっているせいで、いくら施術がよくてもリピートに繋がらないケースがあるのです。

施術がいいのは当たり前で、もっと突っ込んだことを言うと、お客様は悩みが解消したり、欲求が満たされたりすれば、その施術は何でもいいのです。

施術者は、最新の美顔器を活用したいかもしれませんし、こだわって選んだオーガニックのアロマをウリにしたいかもしれませんが、お客様にとって肌荒れがよくなるのであれば、最新機器を取り入れたエステじゃなくてもいいし、こだわりのオーガニックアロマじゃなくてもいいんですよね。

坂本

ここを勘違いしてしまうと、施術者はお客様目線を忘れてしまいます。

お客様目線を忘れたセラピストは自己満足に陥ってしまうので、リピーターが定着せず、経営が難しくなるでしょう。

いくつか例を挙げていきますね。

よかれと思ってダメ出しが多くなる

お客様は悩みを解消するためにその道のプロのもとに行くので、セラピストは

お客様

こういう場合はどうしたらいいですか

とアドバイスを求められることもあるかと思います。

アドバイスを求められていなくても、たくさん勉強したり経験を積んだりしてくると、

セラピスト

このお客様は、こうしたらよくなるかもしれない

ということが自ずと見えてきます。

また

  • 「普段の洗顔はどのようにされていますか」
  • 「お食事の主食はパンですか、ご飯ですか」

などのように、お悩みの改善のために聞いておきたいことも色々出てくるでしょう。

ところがお客様の心理はこうです。

お客様

肌荒れをよくしたいけど、普段のスキンケアがしっかりできているわけではないから、そこはあまり聞かれたくないな…。

お客様

お通じをよくしたいけど、あまり野菜を摂れてないから、食生活を言うのは恥ずかしい…。

悩みを解消するために、全てのお客様があらゆる手を尽くしてきたかというと、決してそうではありません。

それは知識不足だからなのか、わかっていても何らかの理由でできないのか(続かないのか)は人によりますが、いずれにしても自力では悩みを解消できないからこそ、あなたのサロンに来られているわけです。

つまり、セラピストであるあなたの目の前にいらっしゃるお客様は、あなたの施術に期待しているんですね。

そのような状況で、まるでダメ出しをする姑のようにチクチクと生活習慣をチェックするのは、特にご新規のお客様にとってはちょっと怖いです。何だか怒られているような感覚さえ、するかもしれません。

ちゃんとできてなくてすみません…」という気持ちをお客様に抱かせてしまうと、なかなか心を開いてくださいません。

施術はよかったのにな…でもまた行きたいかというと、ちょっとな…」と思われると、ほぼリピートはないでしょう。

坂本

リピートしていただきたければ、「満足」や「期待通り」を超えた「感動」まで感じていただけるようにセラピストは尽力したいものです。

セラピストは専門知識が豊富で、お客様のためを思うからこそ、色々チェックしたくなる気持ちもわかりますが、まずはお客様が求めていることは何かというところに立ち返りましょう。

お客様が求めているのは、「ここに来れば、私の悩みは解決するかも!」と思えるような明るい未来なんです。

安心信頼未来の自分への期待もあるかもしれません。

なので、いきなり生活習慣のチェックを細かく言ってダメ出しをするのではないんです。チェックすることがダメなのではなく、明るい未来がここにあるということを伝えるのが大事だということを、お伝えしたいのです。

施術の説明で意識すること

アロマオイル

明るい未来を提示するために、「うちのサロンのメニューはこのようなことを行います」と、お客様が受けられるメニューのご説明を、施術前に行いますよね。

そのときにセラピストが意識したいのは、あくまでもお客様目線で話すということです。

「オイルは厳しい基準をクリアした高品質なものを取り扱っています。」

このような情報より、お客様が本当に欲しいのは、このような説明かもしれません。

「施術後に拭き取らなくてもべたつかないオイルなので、そのままお着替えいただけます」

「乾燥肌に潤いを与えてくれるオイルです」

「皮膚科に通う方でも安心して使えるオイルです」

これらはあくまでも仮の文言ですが、お客様が何を求めているのか、何に関心があるのかを把握して、それに応えるのがセラピストの役目であって、「うちのこれ、すごいんです!」をアピールする場ではありません。

SNSなどでは自由な発信でいいと思いますが、サロンでは目の前のお客様ファーストで言葉を選びましょう。

そうすると、お客様にとっては「私にぴったりのサロンだ」となるのです。

言葉だけに頼らない工夫も

資料で説明

例えばチェーン店のようなもみほぐしのお店で、そのままベッドでうつ伏せになるだけなら、施術の説明すること自体、あまりないと思いますが、毎回ご新規のお客様に施術の説明をするサロンでは、資料を活用することをオススメします。

お店情報は事前にネットなどで調べたとはいえ、初めてのサロンに足を運ぶのは誰しもある程度は緊張してしまうものです。

坂本

先に述べた通り、美容や健康系のサロンだと、生活習慣に対してダメ出しをされたくないとか、ズボラなスキンケアに対して怒られたくないとかいう気持ちを秘めているわけです。

なので、施術の手順までは興味を持っておらず、とりあえず悩みを解消してくれたらそれでいいというのが本音ではないでしょうか。

そんな状態で、つらつらと施術の説明を聞かされても、あまり頭に入りませんよね。

そこで、資料を活用するのです。

例えばスキンケアの説明をする際に、「肌は表皮と真皮があって、表皮をまた細かく見ていくと、いくつかの層があり…」と説明されても、専門的なことを知らないお客様はなんとなく言葉を聞くだけで頷くしかありません。

皮膚って結構いろんな層が重なりあっているんだよってことを言いたければ、それを一目でわかるようにイラストを用意するのがいいでしょう。

坂本

私はセラピストとして腸もみを行うのですが、「腸の働きってこういうのがあるから、便秘以外にもこういう不調があれば、おっしゃってください。それらも腸からのサインなので。」ということを、図でお伝えしています。

カウンセリングで活用する資料は、なるべくパッと見てわかるもの(文章ではなく、画像や図など)がよいかと思います。

また、資料を用意することで、緊張したお客様の目線が定まるんですよね。

説明中もずっとセラピストの顔(目)を見るより、目線を落とすことができる資料がある方が、リラックスしやすくなります。

お客様のニーズに応える

フェイシャルエステ

フェイシャルサロンに来られたお客様は、お顔(肌)のことを“学びたい”のでしょうか。

答えはNOですよね。

お客様はフェイシャルエステを受けて悩みを解消したり、リラックスしたりすることを求められています。

私の腸もみサロンに来られるお客様は、腸の勉強がしたいのではなく、便秘を解消したり、肌荒れをよくしたり…やはり、悩みを解消するために来られています。

坂本

腸の勉強がしたい方は、腸セラピスト養成スクールにお問い合わせくださっています

お客様のニーズを正確に把握できないセラピストは、よかれと思って“教育”し始めます。

セラピストとしては、お客様のためを思ってのことでしょうが、信頼関係が築けていないうちや、質問もされていない段階でのアドバイスは、ただの上から目線になってしまうので注意していきましょう。

じゃあ、何も言わない方がいいのかというとそうでもありません。

まずはホームページやSNSなどを通して、ご来店前から信頼してもらえるように発信を工夫すること、そしてたった1回のご来店ですべてをまるっと解決するのは難しいと思いますので、段階を踏んで徐々にお伝えしたり、アドバイスをするなら施術後に一つだけお伝えしたりするなど、配慮が必要です。

まとめ

今回は、セラピストのカウンセリングに特化してお伝えしました。

もちろん、それぞれのやり方があるとは思いますが、もし「ご新規のお客様は来られるけどリピートしてもらえないな」という場合は、施術の技術を磨くのと同時に、カウンセリングの見直しも行いましょう。

カウンセリングでは、お客様の心が動きます。

心の動きをポジティブな方に向かえたらよいのですが、ここで書いたように「いきなりダメ出しされた」とか「今使っている化粧品を否定された」というようにネガティブな感情を残してしまうと、いくらよい施術でもリピートしていただけません。

リピートしないということは、サロンの経営に関わるだけでなく、お客様の悩みを解消する機会を1つ失わせてしまうことになります。

坂本

せっかく期待してくださったのに、また一からサロンを探させるということなんです。これはとても申し訳ないことですよね。

ビースマートでは、ご新規のお客様対象のカウンセリングを見直した例もあります。

カウンセリングシートの見直し、説明する際に使う資料の作成や添削も行っておりますので、カウンセリングを学ばれたことがない方、見直したい方はお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

兵庫県生まれ、大阪在住。話し方&書き方講座やコンサルティング 兼 腸セラピスト養成スクール講師、自身もサロンでセラピストとして活動中。趣味はダンス、マンツーマンでレッスン受けてます。

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