講師必見!セミナーの内容はどこから持ってくる?

セミナー講師

先日、あるセミナーを受講してきました。テーマはフレイル予防で、理学療法士でもある大学教授がとてもわかりやすくお話ししてくださいました。私は10年ほど、高齢者対象に体操指導をしてきた経験があるので、この分野にも関心があるのです。

セミナーの最後には、参加者からの質疑応答タイムがありました。事前に送られていた質問内容を教授が読み上げ、そのまま回答してくださったのですが、その質問内容が「え!そんなこと聞くなんて!」という感想を持ってしまったので、ここでシェアさせてください。

目次

驚愕の質問内容とは

当然ながら、ここは運動指導をしている私ではなく、話し方教室を開いている立場としての意見です。

フレイル予防セミナーの後に出てきた、その質問とは次のようなものでした。

質問者

私はセミナー講師をしている者です。先生は、セミナーをされる際、その内容はどこから持ってこられますか。本やネットなどで色んな記事を見ますが、様々なことが書かれているので…

ええええ!セミナー講師1日目の人ですかね?
私も何年も何度もセミナー講師として登壇しておりますし、起業1年目からセミナーを開催した経験がありますが、この質問をセミナー講師がするということが、私はびっくりです。

例えば、自分が受講したセミナーを仲間にシェアする会を開くなら、「どこに有益な情報はないかな」という発想になるのはわかります。ただ、この場合は「セミナー講師」にはなりませんよね。

セミナー講師を名乗るなら

自身が「セミナー講師」を名乗るなら、まずは自分の実体験がベースにあったり、自分以外の情報は出典元がしっかりしているところの論文やデータを引用するのが一般的というか、もはや「普通」です。書籍はともかく、ネット記事はそもそも誤字脱字がある=校正していないものも実は少なくないので、書籍以上に「誰が書いたか」を確認する必要があります。

こういうことを考えると、「セミナーを開くにあたり、その内容はどこから持ってくるべきか」という発想には、ならないのではないでしょうか。書籍であれ、ネット記事であれ、論文であれ、どこの誰が書いたかはよく見ればわかるはずです。それを見て、セミナーを充実させるのに相応しい人が書いているかどうかという見極めができないとすれば、セミナー講師を名乗るのはちょっと不安だなぁと思います。

そして繰り返しますが、いくらしっかりとした論文を持ってきても、ただ人が書いたことを並べるだけでは、そのスピーカーは「セミナー講師」とは言い難いです。人が書いたものはあくまでも補足であり、根拠であり、伝えたいメインディッシュではないはずです。メインはご自身の言葉で伝えましょう!

「質問」が歪んでいる

「歪んでいる」と言っていいのか悩みましたが、やっぱり歪んでいるなと思ったので、訂正せずに続けます。

そもそも、このセミナーのテーマは「フレイル予防」です。「フレイル」とは、健康と要介護の中間を指し、身体的フフレイル・精神的フレイル・社会的フレイル…と種類があります。いずれもこの「フレイル」という段階でしっかり身体を動かしておかないと(手を打っておかないと)、そのまま要介護状態になってしまいます。

なるべく要介護状態にならないように、このような運動をしましょう!実際に取り組んだ結果はこんな感じです…と、ビフォーアフターを見せてもらえるセミナーだったのですが、そのセミナーに対する質問として、「セミナー内容はどこから持ってきますか」というのは、あまりにも失礼ではないでしょうか。的外れですよね。

教授に対して失礼

まずは、今回のセミナー講師である教授に対して失礼です。質問者は教授の話そのものにはまるで関心を示していません。むしろ、他のセミナー講師にも質問できるような内容です。

また、手の内を明かせと言わんばかりの質問じゃないですか。その情報ってどこから取ってきたんですか?って、話してくれた先生に聞きますか? ちょっと聞けないですよねー。

他の参加者に対して失礼

「フレイル予防」について興味関心がある人たちが集まっているところに、「セミナーの内容はどこから入手してますか。私もセミナー講師なんです」っていう質問は、明らかに場違いです。

質の良い質問とは、その質問のおかげで講師がハッと新たに気づいて、セミナー中では出てこなかった新たな情報を引っ張り出すような質問が1つ。池上彰さんが「いい質問ですねー!」って言う、アレです。
もう1つは、その質問のおかげで、その場にいる参加者も理解が深まるようなものです。人の疑問や質問って、他の人にとっても学びになるんですよね。「おお、それ私も知りたい!」と思うやつです。

質問に対する教授の回答

結局、教授はこの質問に対して、どのように回答されたのかを、最後に書いておきます。

教授

私は自分で実践したことをお伝えするようにしています。自分の目で見て確かめたことですね。今回のように患者様に許可をいただいて写真を撮ったり、データを取ったりしています。ネットの記事は誰が書いたか正確でないこともあるので、やっぱり自分で確認したことが一番ですかね。

これを聞いたとき、私は心の中でこう叫びました。

坂本

ですよねーーーー!!!

この質問をした人は、何のセミナーをされている方かはわかりません。教授のようにビフォーアフターの写真が撮れるお仕事とは限りません。それでも、まずは自分が実感したり、体感したりしたことでなければ、自分が講師として人に何かを伝えるのは難しいのではないでしょうか。

セミナー内容を充実させるには

もちろん、自身の経験談だけではセミナーにはなりません。個人の体験談を聞くだけでは根拠が弱いからです。再現性もないかもしれません。変化を求めて学びに来られた方に対しては、個人の経験談だけでは充実したセミナーとは言い難いです。

では、どうすればよいのか。変化を見せる写真もないし、何かを研究して論文を出しているわけでもない。お困りの方は、ビースマートにご相談ください。あなたにしかできない充実したセミナーを一緒に設計していきましょう。受講者さまから「次回も参加したい!」と思ってもらえたり、「おかげさまでこのような変化がありました!」と後日談をいただけたりしますよ。

先生の話し方
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この記事を書いた人

兵庫県生まれ、大阪在住。話し方&書き方講座やコンサルティング 兼 腸セラピスト養成スクール講師、自身もサロンでセラピストとして活動中。趣味はダンス、マンツーマンでレッスン受けてます。

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